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目まぐるしく変化するファッションに合わせて、街中のウインドウも変化を見せます。

最新のファッションだけがいいものではありませんし、定番商品をいかにオシャレにコーデするかもファッションの楽しみ方です。ファッションビルのウインドウは、トレンドを感じさせるだけでなく「コーディネートの勉強」にもなりますし、店に入って販売員のスタイルを見て商品を購入したりコーデの参考にするひともいるでしょう。

ところが最近は、仕事帰りが遅くゆっくりと買い物に回れない、休日は他にもやりたいことがあるからショッピングはAmazonや楽天をはじめとするECサイトで行う人が増えてきました。

2015年に行われた経済産業省での「電子商取引に関する市場調査」では、年々ファッションECサイトを中心に数字が伸びてきました。

今までは「店頭で試着したり、販売員のアドバイスを受けて購入する」スタイルだったファッション業界ですが、インターネットを通じてコーディネートをアップする人が増えたことからも「ネットの画像で商品をイメージできる」ようになってきています。

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EC(Electronic Commerce)サイトとは、インターネット上で商品の販売を行うサイトのことで、店頭と同様のサービスが簡単に得られます。

ECサイトはこれからも増えていく!?

ファッションECは、大手のAmazon、ZOZOTOWN、Yahoo!、楽天などが参入。特にAmazonは2012年8月以降、ファッション分野の伸びが非常に高くなっていて既存のファッションだけでなく、スポーツブランドの参入によって激化するECサイトにグイグイ食い込んできています。

実店舗販売にこだわってきたユニクロも最近はネット通販に力を入れてきていて、アプリを利用した割引サービス・ネット限定商品の展開など、売上の3割近くをインターネットに移行してきています。そのことから、とうとう「しまむら」もネット通販に踏み込むのではないかとも噂があるくらいなんです。

「送料自由」制度の進化のZOZOTOWN

ZOZOTOWNは国内最大級のショッピングサイトとして、国内だけでなく海外のファッションブランドを取り扱っています。購入代金が4999円以上の場合は送料が無料、それ未満は399円。2017年10月には「送料自由」制度を取り込み、いままで送料がかかっていた金額でも無料にすることができるシステムになるなど話題性でも世の中を沸かせました。代金を後払いできるシステムを導入するなど、独自の視点でファッションEC事業を伸ばしてきています。

参考URL: ZOZOTOWN、送料無料から送料自由の時代へ「送料はお客様がお決めください」

さらにPB(プライベートブランド、自主企画商品)の展開を2017年から開始、ベーシックなアイテムを取り込むことで「ユニクロ」「ZARA」「H&M」などのファストファッションを好む客層の取り込みにも積極的です。

「超ベーシックアイテム」「科学やテクノロジーの力で実現する究極のフィット感」のアイテムを展開するそうですが、どこまでファッションECユーザーに浸透するのか?ZOZOTOWNのPBに魅力を感じさせるかが鍵になりそうです。ZOZOTOWNはショップではなくZOZOTOWNが一括して物流を管理していますので、色んなブランドをまとめて一括で購入することができます。

「好きなブランドのアイテムを自分でコーデしてみたい」そんな人のためにファッションコーディネートサイト「WEAR」経由でアイテムを自由に選ぶことができるシステムを作りました。

コーデの不バランス感

ネットショッピングでは試着ができないために、「コーデのバランスがわかりにくい」デメリットがあります。これを解決したのが、WEARとの連携です。実際に、ショップ店員やモデルなどのスナップも見ることができるので着用イメージがわきやすくなります。ZOZOTOWNの売り上げが伸びているのも、このようなネット販売のデメリットをメリットに変えていく戦略が功を奏したといえます。

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このようにコーデしたものを買い物かごに入れれば、あとはまとめて配送してもらえますから作業効率が高くなり即日発送も可能ですね!

すぐに試着して出かけたいような場合、わざわざ外部に買い物にいかなくても簡単に手に入れることができます。

ただ実際に購入して試着をしたものの「サイズが合わなかった」「イメージが違っていた」などの問題もあります。これに関しては有料会員サービス「ZOZOプレミアム」と「ZOZOプラチナム」に登録すると一部商品を除いて送料無料で返品できるシステム。

ZOZOTOWNでファッションアイテムを頻繁に購入する人にとっては非常に便利なサービスですね。ツケ払い・プレミアム・プラチナム会員限定など新しいサービスも増えて、「以前よりも使いやすくなった」声も多いのですが、同時に「楽天アベニューの方が実は得なんだけど」の声が増えているんです。

洋服もAmazonで購入できる!世界的な大手ショッピングサイトアマゾン

Amazonを利用している人は非常に多いと思いますが、多くの人は本や雑貨などを購入しているのではないでしょうか。洋服はZOZOTOWNや楽天で購入していた人も、最近はAmazonを利用するなんて人も増えています。

AmazonはファッションECとしては出遅れた感じがあり、ブランド数でもZOZOTOWN・楽天と比較するとまだまだ敵いません。そこを何で勝負するかと言えば「Amazonらしく価格で」となります。

一般的なファッションECサイトの場合、シーズンオフの夏と冬にセールを行うのが基本。楽天のようにショップが多く入っているところか、各ショップによって決算セールなどが行われますが「期間限定」の場合がほとんど。Amazonでは季節のセール以外に、キャンペーンなども行われシーズン前には旬なアイテムが低価格で手に入ります。

デザイナーズブランドの取り扱いはほとんどないので、スニーカーやセレクトショップ商品、スポーツウェアなどがねらい目。特にスニーカーは種類が非常に豊富で、最新モデルなども定価よりも安く手に入れることができます。

輸入品も取扱いがありますので、他のECサイトより豊富なこともあります。Amazonが取り扱うファッションアイテムは基本的に送料無料で、購入後30日間返品可能になっているのも特異な点です。返送料も無料ですからプラスマイナス0。

返品理由も制限がなく、サイズ違い・イメージと違ったでも返品してもらえます。ZOZOTOWNではAmazonペイが使えるようになったりしたことで、両社が比較されやすくなり「送料・返品」などのしやすさAmazonのファッション売り上げが増加の傾向になっているとも考えられます。

ZOZOTOWNは、試着イメージが取りやすい「WEAR」経由にすることで、返品を減らし売上高をアップしていますが、Amazonの場合取り扱いは少ないものの「価格」と「実際に試着してイメージ通りか」確認できる方法で顧客を増やしています。

楽天アベニュー・楽天市場はZOZOTOWNより魅力がある

ファッションECとしては利用者も増えているZOZOTOWNは、年間成長率は24.6%ですが楽天ブランドアベニューに参入する店舗は年間500~800店のペースで増加。楽天ファッションのシェア率を大幅に上回る36%との報告もあります。

楽天ブランドアベニューはブランド公式ショップの名称で、有名ブランドがずらりと並んでいます。若者に人気のセレクトショップ「UNITED ARROWS」 「BEAMS」「URBANRESEARCH」をはじめとして、ミキハウスなどの子供服、生活雑貨からビジネス、コスメまでありとあらゆるブランドが集約されています。

楽天が実際に取り扱っているブランドや売れ筋ファッションとZOZOTOWNを比較すると、視覚的なずれがあります。ZOZOTOWNはブランドショップやセレクトショップが入った「109」などを代表するファッション専門ビルですが、楽天はファッション以外も取り扱う大型総合ショッピングモール。とにかくカゴテリーが広く、メンズ・レディース・キッズはもちろんですが、バックや靴など非常に細かく分かれています。

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またオリジナル商品を低価格で展開することによって、ファッションECの初心者の取り込みに成功しましたね!

どのような商品をどんな時に購入するとお得になるのかを、自分の目で確かめながら購入できることから低価格な商品から単価アップ、そしてファッションアイテムの購入にシフトしていく傾向があります。

楽天でファッションアイテムを購入する年齢層は、口コミなどから調べると20代後半から50代まで非常に幅広く、中でもビジネスアイテムの購入者が半数以上を支えます。実際に楽天の品ぞろえは非常に豊富で、親子で楽天を利用しているユーザーも多いですね。ZOZOTOWNと比較すると、利用者の年齢層が若干高いのですが若年層を取り込み事業拡大を狙ったのが2012年1月にスタートした「楽天ブランドアベニュー」です。

楽天の戦略的なブランド戦略

また女性向けのファッションECサイト「Stylife」を継承したことで、ZOZOTOWNに流れる若年層ユーザーをじわじわと取り込んでいます。

楽天の大きな魅力は、ポイント〇倍などショップによって還元されるポイントが期間限定などで非常に高いこと。ポイント企画に応じてポイントが増えていくので、気が付いたらポイントがガッツリたまっていたなんて事もあります。

ZOZOTOWNの場合ブランドで割引クーポンが付きますが、楽天では各ショップで期間限定のクーポンが発行されたり、ショップをお気に入り登録するとキャンペーン情報がメールで配信されるなどの細かいサービスが受けられます。また楽天ブランドアベニューと通常出店との差別化を図り、ファッションサイトに特化あせるにあたり「フルフィルメント」の出店形態を取っています。

実際にサイトを覗くとクリエイティブなデザインが目を引きます。

スマートなデザインにすることで購買意欲を掻き立て、同時に「今何がトレンドなのか」をページを開くことで瞬時にわかるようになっているのもポイント。この他にも全品ポイント最大7倍であるのも、楽天市場との区分けで大きなポイント。

お届けから返品までのシステムに関しても、即日発送に16日以内の返品を可能にするなどAmazonを意識した対策となっています。人気ブランドなどはコーディネート機能を利用すれば、イメージをつかみやすくなるなどZOZOTOWNにも負けず劣らずの新機能を満載しています。

まとめ

見やすさや、使いやすさを工夫した楽天市場、500以上に人気ブランドを集めたブランドアベニューと、時代に合わせて進化する楽天。独自のブランドを展開することで、よりファッションを身近に感じられるように進化するZOZOTOWN独自の機能で世界的シェアをファッションにまで広げるAmazon。

そして大手ショッピングサイトとして、多くの人が利用する楽天から飛び出した楽天ブランドアベニュー。今や時代はインターネット通販を中心とした時代に突入しました。

これからも互いにせめぎ合い進化していくことを誰も止められません。そして、どこで何を買うのか・どのようなサービスに惹かれるかは個々の気持ち次第ではないでしょうか。

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